
わかやま新報の読者の皆さま、こんにちは! 和歌山県よろず支援拠点コーディネーター、社会保険労務士の二之段(にのだん)直哉です。
今回は、現在も事業所さまから相談を受けている「キャリアアップ助成金」についてご案内します。「キャリアアップ助成金」は、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成金を支給する制度です。
同事業所さまは現在、有期雇用の従業員さんが働いており、会社のために頑張っている従業員さんを今後正社員に転換したいと考えているとのことでした。
「キャリアアップ助成金」にはいくつかのコースがあり、今回の事例では、「正社員化コース」(助成金額57万円)を活用できる可能性があります。
申請の流れとして、まずは「キャリアップ計画書」を正規雇用に転換する前に労働局に提出し、会社のルールである就業規則については、正規雇用への転換制度を規定した内容の整備変更が必要です。
そして規定通りの面接や試験、転換時期を経て正社員に転換された後、6カ月分の給与が支払われた日の翌日から2カ月以内に支給申請書類を提出する形となります。
なお、ルールとして「転換前6カ月分の賃金」より「転換後6カ月分の賃金」が3%増額している必要があり、算定に含められない手当なども決められているので注意が必要です。
また、助成金を申請するにあたり、就業規則はもちろん、従業員さんに交付しなければならない労働条件明示書、出勤簿や賃金台帳の作成管理など、日頃から適切な労務管理が行われていることも前提条件となります。 今回ご紹介した助成金を含め、新しい年度には内容が変更される場合が多々あります。今回の「キャリアアップ助成金」も4月からルール変更が予定されていますので、「キャリアアップ助成金変更」などのキーワードで検索の上、ご確認していただきますよう、よろしくお願いします。